丸太小屋日記 ~オーミック電子の開発室から~

超音波センサーメーカー、オーミック電子の公式ブログです。

2019-01-01から1年間の記事一覧

準備はできているか 〜エディージョーンズからの提言〜

先週、とある現場で特殊車両向けセンサーの実地テストを行いました。 この案件ではセンサーが特殊な環境で使われるため、センサーの検知vs非検知の設定が非常に難しく直前まで調整が難航しました。 まだ開発段階の案件ですが、実地テストをするにも車両を準…

備品が故障する時期

先週、先々週と立て続けにプリンターとパソコンが故障してしまいました。 プリンターは光沢紙でカラー印刷を十数枚した後に青色が出なくなってしまい、パソコンの方は電源が入らずスイッチを入れても10秒くらいでダウンしてしまう状況でした。 幸いどちらも…

KiCad ピン間の衝突問題 

こんにちは。 今日は面白そうなICがあったので久しぶりにKiCadで試作基板を作ってみました。 試作基板 そのときにつまづいたポイントをメモ程度に残しておきます。 流れとしては下記の通りです。 1. Mouserで部品データをCADに登録 2. 登録した部品と周辺部…

プラグ/レセプタクルのオス/メス使い分け

今日はコネクタ類の使い方について、最近学んだ基本的なことについて書いていきます。 弊社のように障害物センサーを作っていると警報用の回転灯とセットで製作を依頼されることがあります。センサーが車両や人を検知すると警報機が発動するというよくある使…

石膏3Dプリント向け色付きデータの作製

今日はちょっと特殊な3Dプリント部品のデータの作り方を書いていきます。 材料として使うのは石膏です。よく色付きフィギュアなどで使われる材料ですが 今回石膏を使う理由は高温部分に使われるためです。ABSだと変形してくる100℃以上 の環境で使う部品を印…

スピントロ二クスが世界を変える!?

今日は東北大学のOB会が主催している講演会に行ってきました。 お題目はズバリ「スピントロニクスが世界を変える」です。大学時代に磁性材料の研究室に所属していたこともあり、興味があったので顔を出してみました。 大野教授 講師は東北大学総長の大野英男…

全ネジの切断と後処理について

アルミの全ネジがない!? 製品を軽くするため使用している部品の材料を変えることがあります。今回は80mmのステンレス製の全ネジをアルミ製にできないかと検討しました。あれこれ探してみましたがどうも長さ指定のアルミ全ネジが無いようでした。 唯一1000m…

ディスクリート部品の整理方法

整理整頓のお話 実験用の回路を組む際にいろいろな値の抵抗を使う機会が多く、以前購入した抵抗セットをあさりながら実験を進めています。この抵抗セットは数Ωから1MΩまでのディスクリートの抵抗が10本ずつ入っているもので、すべてまとめてビニール袋に入っ…

方向判別センサー開発の経緯

今回はリニューアルした方向判別センサーOM-DR4Cについて書きたいと思います。 まずは製品のご紹介から。こちらが方向判別センサーOM-DR4Cです↓↓ www.youtube.com このセンサーを使うことにより移動している物体の方向が判別できます。工場の出入り口などに…

「お仏壇のはせがわ」に見るものづくり企業のあり方

先日、たまたま都内の「はせがわ」の実店舗に入る機会がありました。 「お仏壇のはせがわ~」のあのはせがわです。 店内はお香のいい匂いが立ち込めており、落ち着いた雰囲気でした。 仏具を扱っているので、保守的なイメージがあったのですが店内を見ていく…

ASA樹脂という選択

現在、一般的な3Dプリンタの材料としてPLA(Poly-Lactic Acid)とABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)があります。弊社では強度や耐熱性の点で主にABSを使用して試作品や量産品を製造しています。PLAは大型の印刷物でも反りが少ないため、治具などを作るとき…

超音波の干渉問題あれこれ 〜取付現場から〜

昨日は弊社センサーの調整作業のため、関東エリアに出張しておりました。 使われているセンサーがこちらのOM8タイプです。耐候タイプの丈夫なセンサーです。 www.youtube.com センサーの目的は車庫に入る列車を検知し、車庫内で作業をしている人に知らせると…

新型プリンターG3310を買いました

先月から事務所のプリンターの調子が良くなく、印刷を指示しても紙が流れていかず困っておりました。長年使ってきた古い型式のものでしたので、期末ということもあり新しいプリンターに買い替えることにしました。 注文したのはキャノンのG3310です。 CANON …

社員旅行に行ってきました -築地場外~豊洲市場-

2/16(土)に日帰りバスツアーで築地場外と豊洲市場見学に行って来ました。豊洲市場には弊社のセンサーが一部使われており、一度は現地に行ってみようということで今回の社員旅行が決まりました。 弾丸バスツアー 朝5時起きで7時前にバスに乗車、4時間ほどかけ…

3Dプリント小技集 ③印刷の向き

今日は3Dプリント時の印刷の向きについて書いていきたいと思います。印刷の向きは印刷時間や部品の強度に関わってきますので、重要なポイントのひとつです。 せっかくですので最近私が作ったこちらの部品を例に見ていきましょう。 Magnet Holder これは高所…

ハイウェイテクノフェアに出展して

毎年11月になると高速道路に関連した技術を展示するハイウェイテクノフェアが東京ビッグサイトで開催されます。 一昨年の2017年に当時開発していた高所作業車向けのセンサーを売り込むために ハイウェイテクノフェアの出展企業を回ろうと思い展示会に参加し…

LEDのVf低下と定電流ダイオード

最近使い始めた定電流ダイオード(Current Regulative Diode)。 CRD 新製品の通電試験中にLEDが光らなくなり、故障原因を調べていくとLEDのVfが低い値で固定しているようでした。 Vfが下がった原因ははっきりと分かりませんが、定電圧でLEDを駆動させている…

工業デザイナー 奥山清行さんのこと

今日は私の好きな工業デザイナーの奥山清行さんについて書いていきたいと思います。 初めて奥山さんを知ったのはNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見たことがきっかけでした。 当時はピニンファリーナのマネージャーをされていたと思うのですが、並…

高所作業車用の安全センサーを作った理由

ここ数年、特殊車両向けセンサーの引き合いが多いのですが、定期的に高所作業車向けセンサーの引き合いを頂きます。 話を伺うと作業者がバケットに乗り上部に移動中、構造物との間に挟まれてしまう事故が起きているとのことでした。実際の事故事例としてこの…

3Dプリント小技集② タッピングネジ VS インサートナット

製品の筐体を設計する場合、大きく分けて2つの部品を設計することになります。 一つ目がケースです。お弁当箱でいうところの箱です。箱の中にいろいろな具材を詰め込んだあと、そのままだと持ち運びしたときに具が溢れてしまいますので、蓋をする必要があり…

3Dプリント小技集 ①反り対策

3Dプリンターを使う方にとって初期設定の次に立ちはだかる問題のひとつが造形物の反りです。 産業用に一般的に使われるABS樹脂は収縮率が比較的高いので、10cm四方以上の大物を印刷するときによく反ることがあります。いろいろな対策があるようですが、私は…

郡山で「ものづくり」をするメリット

今日は開発小屋が拠点を構えているここ福島県郡山市でものづくりをする上でメリットとして感じたことを書いていきます。 ①広い!スペースがある! 地方都市ということで車社会であることから、どの会社も広い駐車場を持っています。我々はセンサーを扱ってい…

丸太小屋の小道具たち① 3次元印刷機

弊社開発室、通称”丸太小屋”にある小道具を少しづつ紹介していきます。第一弾は3Dプリンターです。 UP BOX+ 試作、少量生産の道具として今やなくてはならない存在になりつつありますが、ひと昔前には試作時の筐体として削りだしや粘土品、少し高級になると注…

アイリスオーヤマ会長講演会@産業博2018

昨年、郡山市で開催された産業博というイベントに参加しました。 イベントの目玉の一つとしてアイリスオーヤマ(株)の大山健太郎会長の講演会があり、お話を聴いてきました。 ①アイリスオーヤマのはじまり アイリスオーヤマといえばLED照明のメーカーという…