シリコンパーツ作製術 ~3Dプリント型への挑戦~
今回の記事は日大生のT君による寄稿です。防水用のシリコンパーツを作る方法について挑戦して頂きました。↓↓
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日本大学のTです。ロッカースイッチの防水対策に使用されるシリコンパーツの製造に関する記事を担当します。下の画像が今回製造するシリコンパーツで、製品における使用例としてロッカースイッチの防水に利用されています。
この部品を作るために従来の方法では、3Dプリンターで作製した使い捨ての型を使用し、シリコンが固まった後に型を壊して取り出していました。しかしこの方法だと、型を再利用できないだけでなく、取り出し時にシリコンパーツを傷つけてしまうこともあるため、製造方法の改良が必要でした。
そこで今回試みたのが、3Dプリンターでの金型作製になります。(厳密にいえば金属で作った型ではないので金型成形風というのが正解かもしれません。)これは、外枠が分解できるようになっているため、シリコンパーツを取り出す際に型を壊す必要がありません。
ここからは具体的な制作手順を紹介します。まず金型を組み立てます。各パーツにはインサートナットが打ち込まれており、ねじ止めできるようにしてあります。また、各パーツには離型剤を塗ってあります。
続いてシリコンを作ります。使用したのはHTV-4000というシリコンです。A材B材をよく混ぜて型に流し込むだけという簡単なものでが、混合後にそのまま型に流し込むと気泡が入ってしまいます。そこで、今回は真空ポンプで気泡を抜きました。
真空状態にして5分待った後、型に流し込み、万力で圧力をかけて8時間待ちます。
硬化後に型を分解することで、型を壊すことなくシリコン部品をきれいに取り出すことができました。
3Dプリンターでの金型設計は自由度が高く、再利用性と効率の点で大きな利点があるので、今後ほかの製品の防水にも活用していきたいです。