丸太小屋日記 ~オーミック電子の開発室から~

超音波センサーメーカー、オーミック電子の公式ブログです。

2023年振り返り

さて、早くも2023年が終わろうとしています。弊社は昨日が最終日でした。大掃除をして玄関には恒例の正月飾りを取り付けて締めくくりました。

今年の振り返りを行う前に今年をどういう年にしたいかを昨年の記事から再確認してみると、①広報活動に力を入れる(ポータルサイトに載せる)、②特殊車両の免許を取得し現場に通う、③CSPIに参加し製品を広くアピール、④引き続き新製品を開発するという目標を掲げていました。以下、それぞれのテーマについて振り返ってみたいと思います。

2022年振り返り - 丸太小屋日記 ~オーミック電子の開発室から~

高所作業車の免許取得

2月に早速、高所作業車の免許を取得するために近くの教習所に通いました。一緒に学んだ建築関係の方々からも現場の興味深いお話を聞くことができ、充実した2日間でした。

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実際に高所作業車を動かして何か仕事をするために免許を取ったわけではなく、高所作業車用のセンサの検証をするときに必要となる可能性があったので取ったものでしたが、6月に実際に検証する機会が訪れたので免許を取っておいて良かったです。

 

CSPIの成功と反省

初めての単独での出展ということで5月にCSPIに参加しました。最小スペースでの展示でしたが、アトラクションや目立つための仕組みなども考えながら何をどこに配置するかを考え準備を進めました。開催直前に展示会向けの新製品を作ることになり大変ではありましたが、建設関係の新しいお客さんの開拓や昔からのお客さんとの再会的な同窓会的側面もあり普段直接感じられない弊社の存在価値についての認識を新たにすることができました。

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反省点としてはブースに華やかさが足りず、来訪者の招き入れが物足りなかった点です。来年は女性の説明員を置いてより盛り上げていけたらと思います。また、展示会後に参加したメンバーが体調を崩してしまい弊社ブースに来て頂いたお客さんのフォローが十分にできなかったことも反省点のひとつです。来年も参加することになりましたので今年の経験を活かし、よりよい展示を目指します。

広報活動について

今年の1月からメトリーという製造業ポータルサイトに有料で弊社ページを乗せて頂いています。メトリー経由でカタログをダウンロードを頂いたりご連絡頂くことも多く、それなりに効果を感じています。

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試作品から量産品への移行

今年のハイライトは何かといえば、展示会で新製品として出した高所作業車向けセンサOM-GC/FVを量産に移行できたことです。技術的な側面でいうと自社製マイコンが使えるようになってきたことと、屋外でも使える超音波素子を入手でき比較的値段を抑えた形で製品を生産できる見込みが立ったことが要因として挙げられます。

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営業的側面でいうとCSPIの効果はあったものの、量産となる注文を頂いたのは実はCSPIには直接来られなかったお客さんでした。展示会前に弊社社長があらゆる方法で(メール、FAX、問い合わせフォーム)建設関係の会社にコンタクトしその中の大手建機レンタル会社の幹部の方が大変興味を持って下さり、注文に繋がりました。どのように製品を知ってもらうかということで上記のポータルサイトも活用しましたが最後は直接こちらから働きかける「念力」のようなパワーと、それをした上での「運」が関わってくるのだと感じました。取引が決まりレンタル会社さんのホームページに弊社センサが掲載されたとたんに他のレンタル会社や建設関係の会社さんから製品に関する問い合わせが一気に増えました。

www.taiyokenki.co.jp

建設業界において認知を広めるためには広く浅く広報するポータルサイトではなく、業界の人が必ずチェックする有名な会社のホームページに載ることがより重要であると認識しました。一般の広報ルートでは効果がなく閉じたルートがあるようで広報活動も一筋縄では行かないと感じました。

量産が決定すると製造方法の改革に迫られます。当然、今までの3Dプリンタを用いた筐体の製造では追い付かないので金型製作を検討します。昨年まで利用していたプロトラブズ社が破産してしまったため新たな金型屋さんを探していたところ、偶然こちらの記事を見つけ葛飾区のミヨシさんに連絡をすることにしました。

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見積もりを頂きこちらの想定していた金額以内におさまっていたこと、打ち合わせ時に細かい仕様に関する説明が丁寧で一緒にやっていける感覚があったので依頼させて頂きました。短納期での注文となりましたが快く引き受けて下さり、高品質の筐体が出来上がりました。金型用の3Dモデルを作製する過程はこちらの記事を参照ください。

3Dプリンタから金型製作への道のり - 丸太小屋日記 ~オーミック電子の開発室から~

下の写真は実際にミヨシさんを訪問したときに見せて頂いたセンサ先端に取り付けるホーンの金型です。

ピッカピカの金型

筐体への塗装についてもコンプレッサーを導入するなど新しい方法を取り入れていきました。

基板の実装についてもより早く製作するためにホットプレート方式に切り替えました。

12月の初旬に金型が完成しそれから諸々の生産体制を整えていき、ようやく月産数百台作れる体制になってきました。いろいろと整えていくうちに部屋全体を整理していきたくなり最終日には工具用の壁掛け収納板を作りました。

来年はさらに量産体制が整うので、品質を上げながら生産数量を伸ばして行ければと思います。

2024年に向けて

来年については①まずは量産品をきっちりと作り上げること、②5月のCSPIに向けて新製品を作ること、③今年作った新製品(電線を検知できるセンサ等)の拡販、④今年以前に作った製品で拡販が十分にできていない製品(ヘルメット取り付け振動機をはじめとする警報機類)の拡販および量産、⑤なるべく現場に通いながら実際の要望を聴き製品作りに反映させることをしていきたいです。今年は大きな出張は札幌での現場検証くらいでしたので来年はもっと積極的に出向いていきたいです。

特に九州エリアや千歳方面で工場の建設ラッシュが続いていますのでこのあたりにしっかりと入り込んで行けたらと思います。また、時間を見つけて海外にも行けるようにしたいと思います。

自動運転と凧あげオバサン - 丸太小屋日記 ~オーミック電子の開発室から~

今年もブログを読んで下さりありがとうございました。良い一年をお迎えください。