丸太小屋日記 ~オーミック電子の開発室から~

超音波センサーメーカー、オーミック電子の公式ブログです。

高所作業車の技能講習

2/3~2/4にかけて高所作業車の運転技能講習に行って参りました。会社のメインの事業であるセンサ開発に作業車の運転技能は直接関係ありませんが、運転者の立場に立ってセンサはどうあるべきかを知っておくことは必要なのではないかということ、実際に運転に携わっている方々とお近づきになり現場での実態をいろいろとお聞きできるのではないかという期待をもって参加することにしました。

 

【1日目】

初日は教室での座学でした。こちらのテキストを使って朝8時から夕方5時ごろまでみっちりとお勉強します。

                               

といっても講師の方がとてもおもしろい方で話の半分以上が講義と関係あるようなないような与太話をして頂いたおかげで飽きないで講義を聴くことができました。丸一日、真面目に講義していたらもたないというか、お互いつらいよねということでそのような方針でやられているようです。こういう仕事をされる人はある種の話芸というか真面目にやらない芸というかちょっと表では言ってはいけない本音を言ったり毒ついたりする芸をして人を惹きつけたりするので、ややもすると勘違いをされて変な講師と思われクレームがくることもあるそうなので大変だなと思いました。今回講習に来た私を含む10人はみな良い「お客さん」だったようでいつもより講師の方の与太話が増えていたそうです。ともに講習を受けた10人の年齢層は10代~20代が3人、30代~40代5人、50代以上が2人というような感じでした。私以外はみな建設関係で外壁塗装、外壁自体を付けている人、屋根を専門に張り付けしている人、地場の工務店の方などなど多岐にわたり皆さん現場で活躍されている方々ばかりでした。

【2日目】

2日目は朝一で座学で学んだことのペーパーテストがありました。事前に試験に出るところを言われていたので皆すんなりと合格できました。その後、外に出て実習開始です。先ずは作業車を安定させるためのアウトリガーという装置を設置する練習がありました。


後方下部についている操作装置を使って車体に踏ん張りを効かせる足を出していきます。それが終わるといよいよ作業床に載って狙いを定めて高いところへと操縦していきます。作業床に乗る前にこちらのフルハーネス型の墜落制止用器具を付けました。

                                       


胴回りだけをサポートするタイプもあるそうですが、墜落時に命は助かるものの腰が砕けたりするらしく最近では多くの現場でフルハーネス型が必須になっているそうです。ただし墜落すると衝撃でフルハーネス型でも意識が飛ぶそうです。おそろしい。。。

作業車の動きとしては作業床と車体をつないでいるブームという部分を起こす「起伏」、左右にブームを回す「旋回」、ブームを伸び縮みさせる「伸縮」という3つの動きがありこれらを組み合わせて目標物に近づいていきます。

起伏および旋回は油圧の関係で作動後に作業床にかかる振動(反動)が大きくなるため最後に目標物に近づくときは伸縮動作で近づくべしという教えがあります。はじめは講師の方と一緒にその後一人で、最後にテストとしてもう一回一人で操作しました。


難しさとしてはどうしても狙った場所に一発で到達できず目標物に近づいてから下げたり上げたり左右への微調整が必要でした。作業床の動きをイメージできるようになるには相当の経験が必要になると思いました。ある受講生の方からは「センサを作っているならレーザーポインタで当てた箇所に自動で作業床が移動するものを作ってくれ」と言われ、確かにそんなものがあれば便利だなと思いました。

作業車を動かしてみて車体自体の転倒防止装置であったり過重制御装置、作業床の範囲制御といったものはあるが作業床が何かに衝突するのを防ぐ装置はなく、例えばビルにぎりぎりまで近づいているときに戻るところを間違えて旋回したり首振り動作をしたりするとビルと衝突してしまうので、ある条件下では旋回、首振りを無効化するように距離センサと連動させるということはあっても良いのではないかと思いました。作業車メーカーとの連携が必要になるとは思いますが、将来的には標準装備になるのではないかと思いました。今回、高所作業車の運転資格が取れたので機会を作って現場にどしどし足を運んでみようと思います。