丸太小屋日記 ~オーミック電子の開発室から~

超音波センサーメーカー、オーミック電子の公式ブログです。

盛岡研修旅行① 狂犬ツアー

盛岡銀行

先週3/3~3/5に盛岡方面に行って参りました。盛岡とはあまり縁がなく数年前に宮古市の山奥に設置する風力発電機の羽を検知するためのセンサを実証実験するために訪れたくらいで、観光では行ったことがありませんでした。前職の先輩が盛岡出身で何かと盛岡自慢をしていたこともあり、今回は盛岡を楽しむ気持ちで郡山駅を出発しました。以下、今回の旅程です。

【3/3】

12:00 盛岡駅

~15:00 市内観光(盛岡銀行)

~17:30 温泉サウナ@盛岡バスセンター

~23:00 狂犬ツアー@盛岡バスセンター

【3/4】

10:40  オガール@紫波町

~14:00 オガール見学

16:00 角館着

【3/5】

~12:30 角館観光

13:30  田沢湖

16:00  盛岡駅

 

初日は盛岡バスセンターという最近新しく建て替えられた公民連携の商業施設でのイベントでした。イベントまで時間があったので少し駅周辺を歩きました。駅前の一般乗車ロータリーに弊センサが設置されているのでチェックしてきました。

OM6タイプ 広域型のセンサ

お迎えの車が一定時間以上同じ場所に滞留するとスピーカーでアナウンスする仕組みです。車両検知用として長年使っていただいており、正常に動いているようで安心しました。盛岡城跡を抜け中心街に出るとシンボルの盛岡銀行が見えてきます。

明治期に設立された銀行で2012年まで実際に営業していたとのこと。岩手県出身の建築家が建てたもので材料となるレンガや木材もなるべく岩手県産のものを集めて作ったそうです。街が違和感なくこの建造物に溶け込んでおり、盛岡の厚みを感じました。

もうひとつ行ってみたかった場所がヘラルボニーギャラリーです。

heralbony.com

この会社は障害のあるアーティストの作品をしっかりとしたグッズとして売っていて、買ってみたいと思わせる製品を作っています。ディズニーとコラボするなど今勢いのある団体で個人的に応援しています。障害者と社会とを経済的にしっかりとつなげるという意味のある仕事をされていると思います。盛岡にギャラリーを作るというクラウドファンディングのキャンペーンをされていた時に応援していたこともあり今回行ってみたのですが、残念ながら金曜日だったので閉まっていました。また次回訪れたいと思います。

昼ごはんはこちらの東家さんで頂きました。

昼食後はホテルで休憩して、いよいよ狂犬ツアー@盛岡バスセンターに向かいます。

このイベントは全国のまちづくり・地域活性化に携わる木下斉さんという方が自主的に開催しているイベントで、全国の成功した事例や失敗した事例などを紹介しつつこれから地元で起業する方同士のつながりを深めていくというようなイベントです。私は直接まちづくりに関わる仕事をしているわけではありませんが、興味がある分野であること、また木下さんにも興味があったので友人と一緒に参加することにしました。

イベント会場の盛岡バスセンターはこちらのホテルマザリウムやたくさんのおしゃれな飲食店と一体になった複合施設でして、2階にはちょっとしたイベント会場があります。16時からホテル内の温泉とサウナに入ってからイベントがスタート。

はじめにバスセンターをぐるりと案内していただきました。

ジャズピアニスト秋吉敏子さんのコーナー

コンパクトなバスロータリー

館内はすっきりとしたデザイン


館内ツアーの後はまちづくりセミナー。木下さんの進行でテンポよく進んでいきます。はじめにイベントスポンサーである兵庫県のムサシというメーカーのお話。

musashi(ムサシ) - 日本一のセンサーライトメーカー

この会社は園芸用のハサミや屋外用のライトを売っているものづくりの会社ですが、イベント好きな社長がひょんなことから地元で朝市を企画して継続して開催していくうちにだんだんと規模が大きくなり現在では会社の大きな事業となっているとのことでした。スノーピークなどのアウトドア用品のメーカーがファン向けに時々イベントを開いているというのは知っていますが、この会社は毎週地域で地元の方向けにイベントをやっているそうです。すごい。

ムサシオープンデパート朝市・SAVE KAKOGAWA FES

懇親会でムサシの社長と少しお話させていただきました。製品の設計や製造自体は中国で全部やっているらしく、製品企画のみ日本で行う完全なファブレス体制だそうです。お客さんの要望を反映した独自の製品企画を重要視しているそうで、設計や製造を自社で行うことにこだわる自分としては考え方は異なりますが、よりよい製品展開をしていく上でバッサリと設計・製造を信頼できる他社に任すという考え方はありだとも思えました。イベント企画という全く畑違いの事業を始めてみるという柔軟な発想は持っておきたいと思いました。

続いて、メインの公民連携施設のお話。全国では補助金に依存した地域活性事業が多く下の図を使ってその悪循環を説明されていました。補助金依存は麻薬と同じというのは分かりやすい例えでした。切れるともっと刺激の強いものが欲しくなるという、、、

公民連携の施設作りも全国各地で展開されているそうですが成功している事例は少なく数百億円を投じて開発された施設が数年で潰れるという下記のような事例があるそうです。

イベント会場の盛岡バスセンターは数少ない成功事例だそうです。もともとあったバスセンターをリニューアルし商業施設を加えて街のハブ施設にするということで進められましたが、リニューアルしたからといって極端にバスの利用者が増えるわけではないので地域の規模感を考えつつ、最適な大きさにまとめるということが大切だそうです。施設を作る際も入居する業者をあらかじめ決めてしっかりと収支がとれるよう計算し、施設自体の建設費もなるべく抑えながら、地域の住民を一部の建設に関わるイベントに参加させるなどして関係性を深めていく努力をされていたそうです。小さく始めて地に足の着いた経営をしていくという基本的なことが大切なのだと思いました。開発を主導した岡崎正信さん曰く、公民連携を成功させるには公側のリーダーが民間任せになることなくしっかりと並走しともにリスクをとる覚悟でやらなければ絶対にうまくいかないとおっしゃっていました。

その後、数人のユニークな登壇者がお話をされ最後は併設されている飲食店を貸し切り懇親会でした。普段からこういう集まりには行くことは少ないですし、集団でお酒を飲むことも久しぶりでしたので良い経験でした。このイベントに集まるコミュニティが既に出来ており遠くは沖縄や岡山、兵庫などの関西地方からの参加者も多く、何によって人が集まるのかを考えさせられました。よくも全国各地から東北の田舎までやってくるなあと。11時まで飲んでお開き。 明日は秋田じゃー

 

続く。。。