丸太小屋日記 ~オーミック電子の開発室から~

超音波センサーメーカー、オーミック電子の公式ブログです。

超音波の干渉問題あれこれ 〜取付現場から〜

昨日は弊社センサーの調整作業のため、関東エリアに出張しておりました。
使われているセンサーがこちらのOM8タイプです。耐候タイプの丈夫なセンサーです。
センサーの目的は車庫に入る列車を検知し、車庫内で作業をしている人に知らせるというものです。入庫車両のみを検知するため2つのセンサーを使い、片方が検知した後、もう片方が検知した場合のみ出力するという使い方をされています。逆の順序でセンサーが検知した場合は、出力しないため車両の方向判別ができるのです。
 
昨年、同じ現場で1レーンこのセンサーを取り付け、今回が2レーン目ということで取付状態を確認したところ、、、凍りついてしまいました。。。これはマズイ…

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やってはいけない取付
↑このような取り付け状態だったのです。
何が問題となりそうかお分かり頂けますでしょうか?
 
↓もしもこのような取り付けであれば問題ないです。

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位置をずらす
↓こちらも問題ないです。

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同じ方向に取り付け
 
そうです!現場で取り付いていたセンサーは、それぞれ真正面に隣のレーンの
センサーがお互い顔を見合わす方向に設置してあったのです。
このように設置してしまうと、検知物体がないにも関わらず、お互いの発振音を
返波として捉えてしまい、誤出力してしまうのです。
 
案の定電源を入れるとセンサーがかなりの頻度で誤出力していました。
解決方法は上図のようにそれぞれのセンサー群の位置をずらすか、お互い同じ
方向を向くようにする、あるいはそれぞれ異なった周波数のセンサーを使用することです。
 
今回はセンサー取り付け用のポールをすでに地中深く埋め込んでいたこともあり
センサー位置を変える方法が取れません。周波数の異なったセンサーも持ち合わせていなかったためこの方法も取れません。
 
しかし、ある方法を使ってそのままの位置で解決することができました。
 
ヒントは2つのセンサーの型式とこちらの記事を!
 
今回の件で改めて現場に行くことは大切だと思い知らされました。
また、事前に最悪のシナリオを想定して客先に確認作業をしておくことが重要
なのだと学びました。

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実際の取付現場