「お仏壇のはせがわ」に見るものづくり企業のあり方
先日、たまたま都内の「はせがわ」の実店舗に入る機会がありました。
「お仏壇のはせがわ~」のあのはせがわです。
店内はお香のいい匂いが立ち込めており、落ち着いた雰囲気でした。
仏具を扱っているので、保守的なイメージがあったのですが店内を見ていくと徐々にそのイメージが壊されていきました。
仏壇やお位牌といった昔からあるものは形を変えてはいけないものだと思っていたのですが、はせがわさんは現代のライフスタイルに合わせてデザインを刷新し、若い世代が祈りの場を取り入れやすくしているようです。
手入れが楽になるようにガラス付きの仏壇や、香炉とりんが一体になったものなど細かい工夫でデザインが刷新されているものが多数展示されており、仏壇のイメージが根底から覆されました。すべての道具をそろえるのは大変で大掛かりになるという印象があったのですが、ある程度簡素化したものであったりリビングとの一体感をもたせたものなどを提案することで、今まで関心はあったけれども敷居が高くて手が出なかった層にも届けていくという姿勢が感じられました。この姿勢はものづくりをしていく上で私が大切にしたいと思っていることと同じです。モノを通じて、コトを豊かにしていくこと。はせがわさんの場合、仏壇を通して祈りの場を提供していく、取り入れやすくしていくということ。とくに先祖供養の意識が希薄になってきている日本だけに、彼らが提案していることの意義は大きいと感じています。
以前、ブログで紹介した奥山清行さんデザインのトラクターの場合は、スタイリッシュな農機具を通じて農業という業界イメージをクールなものに変えていくということ。
弊社の場合は超音波センサーを通じて、より安全なインフラ運用を支援していくということでしょうか。
今回、はせがわさんの店舗を訪れたことで、どの業界も変化していかなくてはならないのだということを再認識しました。もちろん伝統的なものはきちんと継承しつつ、時代にあわせてお客さんの要望に合わせて(合わせる前にこちらから提案か)、新しいものを作っていく必要があるのでしょう。