丸太小屋の小道具たち② 恒温槽と仲間たち
久しぶりの小道具シリーズ。
今日は恒温槽のご紹介です。
お客様からの報告で最も多いのが「夏場は正常動作していたのに冬場に誤検知が多くなる」というものです。センサー自体が壊れているわけではないのですが、温度が下がると相対的にセンサーの受信感度が上がるため、結果として動作幅が広がることになり夏場は検知していなかった近くの構造物などを検知してしまうことがあります。このように温度によって音が伝わる場「音場」が変わってくるので、とくに新製品については注意深く高温環境、低温環境で試験をする必要があります。
センサーを中に入れて
電源、出力線を検査治具につなげて数時間、高温・低温試験をします。
応用編として近距離用のセンサーの低温試験をより現場の状況に近づけるために恒温槽のサイズをセンサーが検知しない程度まで拡大させた延長BOXをスタイロフォームで作製しました。ふつうは恒温槽の扉を閉めた状態で検査し、センサーの電源を入れた状態ですと常時検知状態となります。この時センサーの動作確認時に扉を開けた瞬間に室温の温かい空気と混ざり音場が変化してしまう可能性があります。実際の現場ではこのような状況は考え難いです。そこで、センサーを非検知状態にしてセンサーおよび超音波が伝わる空間自体を冷やすことを目的にこの延長BOXを作りました。この状態で問題がなければセンサーは正常、誤検知すれば問題があるということが言えます。
冷やす/温める空間が大きくなるので、恒温槽に負荷がかかり正常に動作するか不安でしたが全く問題なく動作してくれました。今後もしっかりと温度試験をやっていきます!