丸太小屋日記 ~オーミック電子の開発室から~

超音波センサーメーカー、オーミック電子の公式ブログです。

「ふつう」なデザイン

 年始に工業デザイナーの深澤直人さんのインタビュー記事を読んだ。

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 「デザインをする」というといかに今までのものと違うもの、独自色のあるものを作るかという風に考えがちだが、深澤さんの場合はふつうなもの、定番となるもの、日常に溶け込むものというような思想でデザインをされているそうだ。実際にお客さんからもふつうなデザインを求められているようで、今までのデザインをさらなるふつう(スーパーノーマルというらしい)にするために細かいデザインの変更をするそうだ。日常に溶け込むもの、なんとなく使い勝手が良いがそれを意識することはないという点ではサンテグジュペリの道具論とも通じるものがあり、ひとつの指針となる設計の考え方だと思う。

 

 以上は使い手側の視点だが作り手側としてもなんらかのふつうなデザインがあるように思う。例えば基板設計でいうと定番の部品を選ぶことで昨今話題の電子部品不足の状況に耐えやすくし向こう10年、20年は同じ設計でいける息の長い製品にできるかもしれない。筐体の設計でいうと組み立てる人が組み立てやすくだれでもきれいに作れるように設計するなどのことが考えられる。当たり前のことではあるが、作り手側・使い手側双方にやさしい「ふつう」のデザインを心掛けていきたい。