丸太小屋日記 ~オーミック電子の開発室から~

超音波センサーメーカー、オーミック電子の公式ブログです。

引くデザインができる若者たち

昨年から製造が忙しくなり会津大学から2名、今年からは地元郡山の日大から2名学生に来ていただきパートタイムで働いて頂いています。組み立てや半田付けだけでは面白くないので、時々3Dモデリング&プリンティングの仕事を振ったりしています。そんな彼らの作ったものをいくつか紹介します。

f:id:Ohmic-Electronics:20220307175242j:plain

ハンガーホルダー

こちらは会津大のI君が作ったハンガーホルダー。初めはハンガーをそのまま棚に引っかけていたのですがよく落ちるので、なんか作れと指示したらこれを作りました。とてもシンプルに見えます。どうやってハンガーを保持しているかというと、、、

f:id:Ohmic-Electronics:20220307175445j:plain

てっぺんに穴が開いています。   ほう!そうきたか。

続いて日大のT君に指示したのははんだごてのふき取り部分の改善です。

f:id:Ohmic-Electronics:20220307175648j:plain

こちらは付属の金属たわしみたいなハンダふき取り部分なのですが、あまりコテがきれいにならないのでスポンジを使ったものにしてくれと指示しました。

f:id:Ohmic-Electronics:20220307175821j:plain

こちらが彼の作った台です。

f:id:Ohmic-Electronics:20220307180000j:plain

スポンジが沈んでいくのでスペースを無駄にしないことに加え角度がついているのでコテのふき取り作業がやりやすくなっています。

二人に共通しているのは形状を足すのではなく引いているところです。以下は私が予想していたデザインです。

f:id:Ohmic-Electronics:20220307180245j:plain

足すデザイン

ハンガーホルダーであれば当然ハンガーを引っかけるフックを作ることを考えますがI君は既存の発想にとらわれず逆の考え方でとてもシンプルなハンガーホルダーを作りました。T君にしてもスポンジを保持する囲いを足すことをふつうは考えそうですがスペースを有効活用することを優先し逆に引くデザインを選択しました。ふつうは足し算ができてから引き算ができるはずなのですが彼らを見ていると初めから引き算ができているように見えます。昨今はやりの断捨離やミニマリストの思想と関連づけるつもりはないのですが単純にすごいなと思いました。実際に製造の観点からみてもプリント時間の短縮といった利点があるし、使う側からしてもシンプルな形状であったり機能的に優れている部分があるので足すデザインよりも優秀であることが多いのではないかと思います。若者に仕事を依頼すると想定外(良くも悪くも?)のものを作ってくれることがあるのでこれからもどしどし振っていこうと思います。