丸太小屋日記 ~オーミック電子の開発室から~

超音波センサーメーカー、オーミック電子の公式ブログです。

建機の祭典CSPI2023に出展します

今週5/24〜5/26の日程で開催される建設・測量生産性向上展に出展します。弊社単独では初の出展となります。

front.cspi-expo.net

ちょうどweb以外の広報活動について模索していた昨年末に参加のお誘いを受けて、新製品が増えてきていたこともあり参加を決めました。

1番小さいブースではありますが、楽しめるような展示にしたいと思いますのでぜひご来場ください。チケットがない方はご連絡頂ければお送りいたします。

 

出展する企業が建設機械関係やレンタル屋さん等が多いので、既に弊社のお客様である場合が多く出展者の方々とも良き交流ができれば幸いです。

 

今日、最後の準備をして明日車で幕張に行って参ります。

ではでは!

自家製 Arduino Pro Micro の製作

最近、自作のマイコン基板を作ってみました。一応動くところまで行ったので製作過程をメモしておきたいと思います。

製作の背景

今まで試作用や小ロット生産では汎用のマイコン基板を購入して使っていました。それで事足りることが多かったのですが、最近もうすこし細かいところまで調整したくなってきて自分で専用のものを作ってみることにしました。通常、マイコンの電源は3.3Vや5V仕様ですが、センサ界隈では12V~24Vで使われることが多いのでマイコンをはじめから24Vまで対応できるようにしたいと思っていました。また、基板を任意の形にしたり、はじめから気の利いた部品を載っけておくこともしたかったです。

市販のマイコンはいろいろあるけれど...
マイコンの選定

マイコンを選ぶにあたってまずは昔からある有名な汎用的なチップで作ろうと思いました。Arduino Pro miniで使われているAtmega328Pが思い浮かびましたがプログラムの書き込みをするときにUSB-シリアル変換器を外付けしなければならずできれば基板にUSBを直挿ししたかったので、USB-シリアル変換器が内蔵されているAtmega32u4というチップを使うことにしました。市販の基板ですとArduino Pro MicroやDFRobot社のBeetleというマイコン基板で使われているチップです。メモリが少しだけ328Pよりも多いところも良さそうです。基板屋さん(JLCPCB)でこのチップの在庫を持っていることがわかり、依頼すれば実装までやって頂けるというのも良さそうなポイントでした。何より昔からあるチップなので簡単にはなくならなそうだし、CADソフトにも事前にフットプリントなどが登録されている安心感があったので、初めて作る基板には向いていると思いました。

Atmega32u4 と村田のクリスタル
回路図の作成

回路図はArduino Pro MicroBeetleの基板を参考にしつつ、24V → 5Vレギュレータや可変抵抗を入れたり、出力用のトランジスタを追加したりしました。クロック源の水晶振動子村田製作所の見慣れない小型パッケージのものを選んでみました。

回路図
回路の配線

今回初めて足が44本もあるチップを配線したので引き回しに苦労しました。これを専門にやっている人の頭の中はどうなっているのだろうか。かなり疲れましたがBeetleのパターンを参考にしてなんとか完了しました。動くかどうか不安。

基板の発注

毎度お世話になっているJLCPCBに依頼しました。Atmega32u4を在庫として持っているらしく受動部品の実装と合わせてマイコンチップも実装して頂きました。発注から1週間くらいで到着する異次元のスピード感は相変わらずでした。

きちんとAtmega32u4が載っている
ブートローディング

基板が完成してもそのままではArduinoとしては動作してくれず、専用のファームウェアを書き込むブートローディングという作業が必要になります。ネットの記事などを見ているとここで苦労されている方がかなりいらっしゃるようでした。

asukiaaa.blogspot.com

こちらの方はArduino Leonardoを使って書き込めると書いていたのですが、別の方はどうも上手くいかないのでUSBaspというプログラムライターを使った方が良いとおっしゃっていました。

qiita.com

私もUSBaspでやってみることにしました。早速ライターを購入します。

Amazon.co.jp: KKHMF USB AVRプログラマ USBaspライタ 51 52 AVRシリーズ 専用 + ケーブル + 10ピン-6ピンISPアダプタ : パソコン・周辺機器

指示通りにブートローダを書き込んでみましたが、エラーメッセージが出てきてうまくいかず。。。いろいろ探しているとUSBasp用のドライバをインストールする必要があるとのこと。

www.jh4vaj.com

しかし、ドライバを入れても下記のエラーメッセージが出てきてうまくいかず。。。

avrdude: Warning: cannot query manufacturer for device: No such file or directory

さらにエラーメッセージで検索をかけるとこんな記事がありました。

ameblo.jp

ドライバーをlibusb-win32ではなくlibusb k に変更すると上手くいったとのこと。早速変更して書き込んでみると、、、上手く行きました。(心の中でガッツポーズ。)

ブートローダー書き込み成功!

ブートローディング風景

その後、Arduino IDEと接続するときちんとArduino Leonardoとして認識されたのでプログラムの書き込みが可能となりました。Lチカやその他の動きも上手くいったのでどうやら成功のようです。

自作マイコン基板(右)にしたことでスペース的にも優位になるので、今後の製作の幅が広がっていきそうです。

盛岡研修旅行② オガール→角館

旅の二日目は盛岡駅からスタート。

前日のイベントで何度も「オガール」,「オガール」という単語が出てきたので何やら行かないといけない施設らしく、調べてみると盛岡から車で30分ほどのところだったので最初の目的地に設定しました。

ホテルを出て盛岡駅方面へ向かいます。

北上川を抜けて盛岡駅で車を借りて南へ向かいます。

紫波町に入るとすぐにオガールという施設に着きます。

人気はあまりなく小奇麗で落ち着いた雰囲気の空間でした。

医院や商業施設などが各テナントに入っていますが、大きな看板などはなく一見すると何の施設なのかわからない感じがありました。公の施設と民間の施設が融合するとこのようになるのかと感心しつつ景観に配慮した落ち着いたデザインは個人的に好感が持てました。続いてはオガールの中心といっても良い図書館。

図書館というよりは書店のような佇まいです。天井が高く空間的にも広く開放的でした。置いてある本も最近の話題の書であったり実用書が多く一日いても飽きないラインナップがそろっており素晴らしい選書だと感心しました。図書館に来る人は消費活動はしないが人が集まることによって施設内のカフェやレストラン、スーパーにお金が落ちてそれぞれの店のオーナーがきちんと家賃と固定資産税を紫波町に払い、そのお金で図書館の運営がきちんとできるという良い循環ができてるそうです。参考記事↓

なぜ「消費を目的としない人」を集めるのか?|新・公民連携最前線|PPPまちづくり

こちらは紫波町の役場です。役所とは思えない佇まいでした。オガールの魅力もあり紫波町の人口も増えているそうです。東北の中でも新しい試みが次々とされている、そんな印象を岩手県に感じました。
昼食後は一気に秋田県の角館を目指します。

紫波町から約1時間半程度で角館に到着です。3月に入っていましたがまだまだ雪は残っており武家屋敷の景観と相まって空気がピリッとしていたのが第一印象でした。

到着後は宿でゆっくりし近くの温泉の飲み屋で過ごしました。

2日目は武家屋敷と角館名物の樺細工の工房を訪ねました。

樺細工のお店

山桜の皮を使った工芸品で自然の素材感がそのまま出ていて味わい深いものでした。湿気を抑える効果もあるようで茶筒を購入しました。

代表的な武家屋敷の青柳家を訪れました。

戦国時代に世界で銃を一番たくさん持っていた国が日本であったことはあまり知られていないですが、それを可能にした量産技術はどのようなものだったのでしょうか。軍事大国だった当時の日本の立ち位置も興味深いです。無敵艦隊スペインに対しても全く恐れていなかったというのですからどれほどの力があったのでしょうか。

同じ敷地内に小野田直武の記念館がありました。解体新書を邦訳する際に日本では不適切な絵を日本に合うように描き直したことで有名な方です。平賀源内の弟子で波乱万丈の画家人生を歩み31歳で亡くなられたそうです。有名な解体新書の邦訳ですが杉田玄白以外にも陰ながらサポートする方がいてはじめて完成に至ったのだと思いました。

 

角館は武士の崇高な息吹が感じられる、そんな町でした。

盛岡に戻る道中に少しだけ田沢湖に寄りました。

田沢湖の蒼さ、鳥居の赤、雪の白と3色きれいに揃って向こうに見える山々と相まって壮観でした。盛岡→角館はおすすめのコースなので岩手県に来られる際はぜひ行かれてみてください。

盛岡研修旅行① 狂犬ツアー

盛岡銀行

先週3/3~3/5に盛岡方面に行って参りました。盛岡とはあまり縁がなく数年前に宮古市の山奥に設置する風力発電機の羽を検知するためのセンサを実証実験するために訪れたくらいで、観光では行ったことがありませんでした。前職の先輩が盛岡出身で何かと盛岡自慢をしていたこともあり、今回は盛岡を楽しむ気持ちで郡山駅を出発しました。以下、今回の旅程です。

【3/3】

12:00 盛岡駅

~15:00 市内観光(盛岡銀行)

~17:30 温泉サウナ@盛岡バスセンター

~23:00 狂犬ツアー@盛岡バスセンター

【3/4】

10:40  オガール@紫波町

~14:00 オガール見学

16:00 角館着

【3/5】

~12:30 角館観光

13:30  田沢湖

16:00  盛岡駅

 

初日は盛岡バスセンターという最近新しく建て替えられた公民連携の商業施設でのイベントでした。イベントまで時間があったので少し駅周辺を歩きました。駅前の一般乗車ロータリーに弊センサが設置されているのでチェックしてきました。

OM6タイプ 広域型のセンサ

お迎えの車が一定時間以上同じ場所に滞留するとスピーカーでアナウンスする仕組みです。車両検知用として長年使っていただいており、正常に動いているようで安心しました。盛岡城跡を抜け中心街に出るとシンボルの盛岡銀行が見えてきます。

明治期に設立された銀行で2012年まで実際に営業していたとのこと。岩手県出身の建築家が建てたもので材料となるレンガや木材もなるべく岩手県産のものを集めて作ったそうです。街が違和感なくこの建造物に溶け込んでおり、盛岡の厚みを感じました。

もうひとつ行ってみたかった場所がヘラルボニーギャラリーです。

heralbony.com

この会社は障害のあるアーティストの作品をしっかりとしたグッズとして売っていて、買ってみたいと思わせる製品を作っています。ディズニーとコラボするなど今勢いのある団体で個人的に応援しています。障害者と社会とを経済的にしっかりとつなげるという意味のある仕事をされていると思います。盛岡にギャラリーを作るというクラウドファンディングのキャンペーンをされていた時に応援していたこともあり今回行ってみたのですが、残念ながら金曜日だったので閉まっていました。また次回訪れたいと思います。

昼ごはんはこちらの東家さんで頂きました。

昼食後はホテルで休憩して、いよいよ狂犬ツアー@盛岡バスセンターに向かいます。

このイベントは全国のまちづくり・地域活性化に携わる木下斉さんという方が自主的に開催しているイベントで、全国の成功した事例や失敗した事例などを紹介しつつこれから地元で起業する方同士のつながりを深めていくというようなイベントです。私は直接まちづくりに関わる仕事をしているわけではありませんが、興味がある分野であること、また木下さんにも興味があったので友人と一緒に参加することにしました。

イベント会場の盛岡バスセンターはこちらのホテルマザリウムやたくさんのおしゃれな飲食店と一体になった複合施設でして、2階にはちょっとしたイベント会場があります。16時からホテル内の温泉とサウナに入ってからイベントがスタート。

はじめにバスセンターをぐるりと案内していただきました。

ジャズピアニスト秋吉敏子さんのコーナー

コンパクトなバスロータリー

館内はすっきりとしたデザイン


館内ツアーの後はまちづくりセミナー。木下さんの進行でテンポよく進んでいきます。はじめにイベントスポンサーである兵庫県のムサシというメーカーのお話。

musashi(ムサシ) - 日本一のセンサーライトメーカー

この会社は園芸用のハサミや屋外用のライトを売っているものづくりの会社ですが、イベント好きな社長がひょんなことから地元で朝市を企画して継続して開催していくうちにだんだんと規模が大きくなり現在では会社の大きな事業となっているとのことでした。スノーピークなどのアウトドア用品のメーカーがファン向けに時々イベントを開いているというのは知っていますが、この会社は毎週地域で地元の方向けにイベントをやっているそうです。すごい。

ムサシオープンデパート朝市・SAVE KAKOGAWA FES

懇親会でムサシの社長と少しお話させていただきました。製品の設計や製造自体は中国で全部やっているらしく、製品企画のみ日本で行う完全なファブレス体制だそうです。お客さんの要望を反映した独自の製品企画を重要視しているそうで、設計や製造を自社で行うことにこだわる自分としては考え方は異なりますが、よりよい製品展開をしていく上でバッサリと設計・製造を信頼できる他社に任すという考え方はありだとも思えました。イベント企画という全く畑違いの事業を始めてみるという柔軟な発想は持っておきたいと思いました。

続いて、メインの公民連携施設のお話。全国では補助金に依存した地域活性事業が多く下の図を使ってその悪循環を説明されていました。補助金依存は麻薬と同じというのは分かりやすい例えでした。切れるともっと刺激の強いものが欲しくなるという、、、

公民連携の施設作りも全国各地で展開されているそうですが成功している事例は少なく数百億円を投じて開発された施設が数年で潰れるという下記のような事例があるそうです。

イベント会場の盛岡バスセンターは数少ない成功事例だそうです。もともとあったバスセンターをリニューアルし商業施設を加えて街のハブ施設にするということで進められましたが、リニューアルしたからといって極端にバスの利用者が増えるわけではないので地域の規模感を考えつつ、最適な大きさにまとめるということが大切だそうです。施設を作る際も入居する業者をあらかじめ決めてしっかりと収支がとれるよう計算し、施設自体の建設費もなるべく抑えながら、地域の住民を一部の建設に関わるイベントに参加させるなどして関係性を深めていく努力をされていたそうです。小さく始めて地に足の着いた経営をしていくという基本的なことが大切なのだと思いました。開発を主導した岡崎正信さん曰く、公民連携を成功させるには公側のリーダーが民間任せになることなくしっかりと並走しともにリスクをとる覚悟でやらなければ絶対にうまくいかないとおっしゃっていました。

その後、数人のユニークな登壇者がお話をされ最後は併設されている飲食店を貸し切り懇親会でした。普段からこういう集まりには行くことは少ないですし、集団でお酒を飲むことも久しぶりでしたので良い経験でした。このイベントに集まるコミュニティが既に出来ており遠くは沖縄や岡山、兵庫などの関西地方からの参加者も多く、何によって人が集まるのかを考えさせられました。よくも全国各地から東北の田舎までやってくるなあと。11時まで飲んでお開き。 明日は秋田じゃー

 

続く。。。

 

 

ものづくり系ポータルサイトの活用

新製品の広告戦略

新製品を完成させたら次の段階としてどのように世の中に認知してもらうかということになります。自社のウェブサイトに掲載することは当然として、ニュースリリースを出したり、予算があればテックメディアに掲載してもらったり、ブログやSNSなどの自社メディアに載せたり、あるいはGoogle広告を使ってキーワードと連動した検索結果と新製品の掲載ページを紐づけるというやり方もあります。実際のところ製品に興味をもって問い合わせまで来るというケースはなかなか多くはなく、ページのアクセス数は増えているのにお客さんとの接触まで至らないことが多いです。特にGoogle広告は広告ページへの1クリックあたり何百円で利用するのですが、クリック数だけ伸びて実際は問い合わせが来ず、しかもクリックした人の属性や連絡先もわからないとなると無駄に広告費用を使っていると言わざるを得ない状況になります。そんな中、上記のやり方以外にものづくり系ポータルサイトを使った広告についてご紹介したいと思います。これは製造業にかかわるあらゆる分野の製品が網羅されているサイトで、製品の購入を検討する際に利用される方が多いです。

ポータルサイトの位置づけ  (メトリーさん提供)

上の図表でいうと製品を導入するために比較・検討に入った段階の人向けに作られたウェブサイトということになります。弊社も利用させて頂いている代表的な3つのポータルサイトを紹介します。

1. イプロス

www.ipros.jp

言わずと知れた老舗のポータルサイトキーエンスが運営しており、利用者が200万人近くいるそうで今のところ最大手といって良いでしょう。弊社は無料枠で利用させて頂いており代表的なセンサをいくつか掲載しています。イプロスを通じた問い合わせは多くはないですが、数か月に1度あるくらいです。キーエンスらしく登録した会社には営業担当がついてきますが、入れ替わりが激しく最近はあまり連絡が来ません。

2. 製品ナビ

www.incom.co.jp

こちらも昔から利用しているポータルサイトです。製品の写真がドドーンと大きく掲載されていて、より製品に特化した見やすいデザインのポータルサイトです。こちらも無料枠で利用させて頂いておりますが、新製品を登録すると月刊誌に掲載して頂けることがあります。先月も月刊誌プロダクトナビに新製品のOM3センサを掲載頂きました。

https://digital.incom.jp/202301/index.html#page=14

製品ナビからの引き合いは時々あり、カタログダウンロードをしていく方が多い印象です。

3. メトリー

metoree.com

こちらは2017年に創業された新興のポータルサイトです。産業用製品の比較サイトとしてランキング形式で企業を掲載しています。各分野の製品を網羅するため創業当初にお声がけを頂いて弊社の製品を掲載頂いておりました。はじめは掲載することにあまり乗り気ではありませんでした。というのも当時似たような新興のポータルサイトがいくつかあって、数年で消えてなくなるといったことがあったためです。メトリーさんに関しては地道に成長されているようで現在はイプロスを凌ぐほどの利用者数になっているそうです。たしかに最近何かの部品を検索すると3番目くらいにメトリーさんの比較サイトが出てくることが多いです。タイミングもあって昨年、メトリーさんの有料プランを半年間使うことにしました。月額3万円のプランでカテゴリの上位に掲載頂くこと、製品情報を目立つ形で掲載頂くこと、カタログダウンロードした人の情報提供、加えて弊社ウェブサイトの分析(訪れた人の属性や連絡先など)などもやって頂けます。まだ始めてからひと月ほどですが、ウェブサイトのアクセスが徐々に増えていたりどういった会社が超音波センサに興味をもっているのかが分かりやすくなっているので参考になっています。今後もメトリーさんの広告効果については当ブログで報告できればと思います。

 

栗子隧道と氷筍

2月も半ばに差し掛かってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。先日の寒波では事務所開設以来、初めてトイレの水道管が凍結し1日半水が流れず大変でした。昨日は久しぶりに雪が積もり交通への影響もありましたが、せっかくスノータイヤを履いたのだから少しは積もってもらわないと困ると呑気なことを思うくらいにここ数年は積雪が緩い郡山市であります。

 

さて、そんな2月ですが今年は会社外への出張、遠征が多くなる月となりそうです。先日の作業車講習に引き続き2/8(水)は山形県米沢市にある栗子隧道というトンネルに行ってきました。仕事とは関係がないのですが、知り合いの遺構好きな方に誘われて平日ではあったのですが会社から休みをもらい行って参りました。

 

事前に知らせていたことはトンネルの中に大きなつららが見られること、そこまで行くのに2時間くらい雪歩きをすること、雪歩きのためにスノーシューを用意しておけということでした。

 

集合場所である道の駅米沢に向かうため、福島県から米沢に抜けた途端に一気に積雪量が増えたことに驚かされ、同じ東北でもまったく環境が違うと思わされました。

無事に登山口に到着しましたが、ここが入口かと思わされるような砕石工場が登山口となっていました。

平日の昼間から砕石工場の受付で「今から山登ります」と言って許可が下りるのかと不安でしたが、受付の方がとても親切な方で手作りのパンフレットを下さいました。

簡単にいうと、山形県から東京方面に行くためには峠を越える必要があり、明治時代からは峠を越えやすくするために山形ー福島間を抜けるトンネルを掘る土木工事が行われ、明治、昭和、平成期にそれぞれ最新の工法でトンネルが作られたそうです。

第1世代、第2世代の道がかなりのアップダウンをしていたことがわかります。

今回の目的地である栗子隧道は第1,2世代の道中にあるため登山口から400mほど登ったところにあることになります。

登山開始です。スノーシューを履くのは初めてでしたが先輩に教わりながら上手く歩くとができました。道なき道をゆっくりと歩いて行きます。道中、雪山ならではの光景に出会います。

ウサギさん

クマ剥ぎ

いきものの営みが感じられる

セッケイカワゲラという雪虫

雪山アート

雪景色を見ながら歩いていくとあっという間に目的地の栗子隧道入口まで到着しました。

半分雪に埋まっている

中に入るとそこは異世界でした。

さらに奥に進むと氷筍(ひょうじゅん)と呼ばれる氷のタケノコが生えていました。

仏像のような氷筍

大勢の人に見られているような不思議な感覚

かつて明治、昭和初期に作られた人口物と自然の造形とが一体となり何とも言えない荘厳な雰囲気でした。技術が今ほどなかった時代に命がけで山登りをしてこのトンネルを作り上げた先人に敬意を表したいです。まだまだ知らいない東北地方の秘境を今後も機会があれば訪れてみたいと思います。

 

高所作業車の技能講習

2/3~2/4にかけて高所作業車の運転技能講習に行って参りました。会社のメインの事業であるセンサ開発に作業車の運転技能は直接関係ありませんが、運転者の立場に立ってセンサはどうあるべきかを知っておくことは必要なのではないかということ、実際に運転に携わっている方々とお近づきになり現場での実態をいろいろとお聞きできるのではないかという期待をもって参加することにしました。

 

【1日目】

初日は教室での座学でした。こちらのテキストを使って朝8時から夕方5時ごろまでみっちりとお勉強します。

                               

といっても講師の方がとてもおもしろい方で話の半分以上が講義と関係あるようなないような与太話をして頂いたおかげで飽きないで講義を聴くことができました。丸一日、真面目に講義していたらもたないというか、お互いつらいよねということでそのような方針でやられているようです。こういう仕事をされる人はある種の話芸というか真面目にやらない芸というかちょっと表では言ってはいけない本音を言ったり毒ついたりする芸をして人を惹きつけたりするので、ややもすると勘違いをされて変な講師と思われクレームがくることもあるそうなので大変だなと思いました。今回講習に来た私を含む10人はみな良い「お客さん」だったようでいつもより講師の方の与太話が増えていたそうです。ともに講習を受けた10人の年齢層は10代~20代が3人、30代~40代5人、50代以上が2人というような感じでした。私以外はみな建設関係で外壁塗装、外壁自体を付けている人、屋根を専門に張り付けしている人、地場の工務店の方などなど多岐にわたり皆さん現場で活躍されている方々ばかりでした。

【2日目】

2日目は朝一で座学で学んだことのペーパーテストがありました。事前に試験に出るところを言われていたので皆すんなりと合格できました。その後、外に出て実習開始です。先ずは作業車を安定させるためのアウトリガーという装置を設置する練習がありました。


後方下部についている操作装置を使って車体に踏ん張りを効かせる足を出していきます。それが終わるといよいよ作業床に載って狙いを定めて高いところへと操縦していきます。作業床に乗る前にこちらのフルハーネス型の墜落制止用器具を付けました。

                                       


胴回りだけをサポートするタイプもあるそうですが、墜落時に命は助かるものの腰が砕けたりするらしく最近では多くの現場でフルハーネス型が必須になっているそうです。ただし墜落すると衝撃でフルハーネス型でも意識が飛ぶそうです。おそろしい。。。

作業車の動きとしては作業床と車体をつないでいるブームという部分を起こす「起伏」、左右にブームを回す「旋回」、ブームを伸び縮みさせる「伸縮」という3つの動きがありこれらを組み合わせて目標物に近づいていきます。

起伏および旋回は油圧の関係で作動後に作業床にかかる振動(反動)が大きくなるため最後に目標物に近づくときは伸縮動作で近づくべしという教えがあります。はじめは講師の方と一緒にその後一人で、最後にテストとしてもう一回一人で操作しました。


難しさとしてはどうしても狙った場所に一発で到達できず目標物に近づいてから下げたり上げたり左右への微調整が必要でした。作業床の動きをイメージできるようになるには相当の経験が必要になると思いました。ある受講生の方からは「センサを作っているならレーザーポインタで当てた箇所に自動で作業床が移動するものを作ってくれ」と言われ、確かにそんなものがあれば便利だなと思いました。

作業車を動かしてみて車体自体の転倒防止装置であったり過重制御装置、作業床の範囲制御といったものはあるが作業床が何かに衝突するのを防ぐ装置はなく、例えばビルにぎりぎりまで近づいているときに戻るところを間違えて旋回したり首振り動作をしたりするとビルと衝突してしまうので、ある条件下では旋回、首振りを無効化するように距離センサと連動させるということはあっても良いのではないかと思いました。作業車メーカーとの連携が必要になるとは思いますが、将来的には標準装備になるのではないかと思いました。今回、高所作業車の運転資格が取れたので機会を作って現場にどしどし足を運んでみようと思います。