アクリル棒切断~完結編~
初めまして。会津大学のFです。今回の記事を担当させていただきます。よろしくお願いします。
前回のアクリル棒切断の試みで、日本大学のI君が「アクリルに溝を掘ってガイドを作る」というアプローチを開発してくれました。今回はその手法に基づいて、よりきれいにアクリル棒を切断する方法について試行錯誤してみました。
おさらいとして、ガイドをつける方法を紹介します。このアクリル切断では、直径3mm長さ4mmのサイズで加工したいので、以下のモデルのホルダーを用意しました。
直径3.1mm、長さ4mmの穴にアクリルを入れ、アクリルをカッターにあててドリルを回してガイドをつけます。
また、かぎ状の突起とカッターを合わせることで、ガイドの位置を固定化します。カッターに対して直接アクリルを回転させるだけでは、力加減でどうしてもガイドがぶれてしまい、仕上がりの安定感がかけていたためです。以後ガイドをつける際は、このホルダーを使っています。
Step1
ガイドをつけ、その後手で折る方法を試しました。
以前の手法では、ニッパーによるカットを行っていましたが、断面が砕けて欠けてしまうことがネックでした。そこで、切断方法を変え、手で折ることをしてみました。
問題点
断面はニッパーに比べきれいに見えますが、アクリルの端にささくれができてしまいました。
STEP2
ガイドをより深く掘って折る
ささくれができる原因として、直観的な考えではありますが、折るときにかける力の範囲が広いことが挙げられます。
そこで、ガイドを深くすることでこの問題を回避し、きれいな仕上がりを目指しました。
問題点
きれいに折ることはできましたが、溝を深くしすぎることで、アクリル周りのガイド層と切断面がくっきりしてしまい、平らにならなくなってしまいました。
1.ガイドを浅くすると、端にささくれができ、仕上がりが悪くなる。
2.ガイドを深くすると、断面が均一でなくなる。
この二つの問題を解決するために、
STEP3
ガイドが浅い状態で、折れる箇所の抑制を試みました。
ささくれができる理由が、折るときにかける力の範囲が広いことでした。それなら、折れる範囲を強制的に抑制すれば、きれいに折ることができるのではないかと考えました。
結果、今までで一番きれいに加工することができました。
少し手間暇かけてしまう方法ですが、現状の設備では、こうして丁寧に工程を踏んで加工したほうがきれいに切ることができました。
効率的な量産方法については、また別のアプローチが必要かもしれません。
おまけ
試作品たちの写真