丸太小屋日記 ~オーミック電子の開発室から~

超音波センサーメーカー、オーミック電子の公式ブログです。

新型プリンターG3310を買いました

先月から事務所のプリンターの調子が良くなく、印刷を指示しても紙が流れていかず
困っておりました。長年使ってきた古い型式のものでしたので、期末ということもあり新しいプリンターに買い替えることにしました。


注文したのはキャノンのG3310です。

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CANON G3310


選んだポイントはズバリ2つ!
①大容量のインクタンク
wifi仕様(USBケーブルでパソコンと接続しなくて良い)


①については今までのプリンターが割と早くインク切れするのにインク自体がかなり高価であるという不満がありました。これは皆さんご経験あるのではないでしょうか。ハードウェア(プリンター)自体は安く売って材料(インク)で儲けるという方式だとは思うのですが、あまりに経済性がなく顧客からの不満が多くメーカー側が改善せざる終えなくなったのだろうと思います。


②については今まで有線式のプリンターを共有していたため印刷ごとにUSBケーブルを抜き差ししなければならず、少々不便でした。


このプリンターにしてからは非常に快適に使用できています。

おそらくインクの買い替えサイクルも伸びることでしょう。コピー、印刷はもちろんスキャンもできますので、これ一台でひと通りの印刷関係の仕事ができます。これから買おうと思っている方には是非おすすめしたいです。

社員旅行に行ってきました -築地場外~豊洲市場-

2/16(土)に日帰りバスツアーで築地場外と豊洲市場見学に行って来ました。豊洲市場には弊社のセンサーが一部使われており、一度は現地に行ってみようということで今回の社員旅行が決まりました。

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弾丸バスツアー

朝5時起きで7時前にバスに乗車、4時間ほどかけ築地場外に到着しました。

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築地場外

土曜日ということもあり、場外は人、人、人。外国人も多く大変な賑わいでした。人を眺めているだけでも面白い場所です。

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マグロをさばくお兄さん

まずは腹ごしらえで海鮮丼屋さんへ。

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丼メニュー

私はマグロの漬け丼とウニの寿司セットを頂きました。ウニが新鮮でとても美味しかったです。腹ごしらえをしてから場外をぶらぶら。

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たわし

魚屋さんが多い中、雑貨屋さんもちらほら。私はこのたわしのさわり心地が気に入りました。1時間ほど散策し、次は豊洲市場へ移動です。

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豊洲市場

まずは仲卸売場へ

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仲卸売場棟

が、しかし中は多くの店がすでにシャッターを下ろしており、数十分滞在すればもう何も見るものがないような状況でした。。。業者が使う施設であるとはいえ、せっかく見学ルートなども作ったのだからもう少し施設のデザインという意味で工夫があればと思いました。時間帯が午後だったのもあるかもしれません。施設は閉鎖型で清潔ですが、まだ文化というか人間臭さが無いようでした。

豊洲市場は少し残念でしたが、今回のバス旅行の最大のハイライトはバスガイドさんでした。歌あり、ダジャレあり、落語あり、感動ありの大変愉快なガイドさんでした。福島県西郷村出身の八巻ふさくさんです。

www.guid-fusaku.com

 

長時間の移動でしたが彼女がぶっ通しで笑わせてくれたのであっという間に時間が経ちました。バスガイドを通じてここまで芸と人間性が磨かれるものかと感銘をうけました。彼女を見ながら人とのかかわり方やプロとしての在り方を考えさせられました。同時に国の歴史、文化をもう一度見勉強し直す必要があると感じました。日本の文化に対する自分の知識があまりに浅いと感じました。忙しい毎日ではありますが、なるべく時間をみつけて色々な場所に足を運んでいきたいです。

3Dプリント小技集 ③印刷の向き

今日は3Dプリント時の印刷の向きについて書いていきたいと思います。
印刷の向きは印刷時間や部品の強度に関わってきますので、重要なポイントの
ひとつです。


せっかくですので最近私が作ったこちらの部品を例に見ていきましょう。

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Magnet Holder



これは高所作業車用センサーにマグネットを取り付けるためのアタッチメントです。さて、この部品をどの向きで印刷しましょうか。。

 

原則① アンダーカットがない方向(サポート材が付かなくなる方向)
積層型の3Dプリンタの場合下の部分から形状を作っていく(積み上げていく)ため、
垂直方向に見て初めは形状がなかった部分に後から形状が出てきたりすると
形状が出てくるまでの部分にサポート材と呼ばれる樹脂が付きます。この部品の場合、このような向きで印刷するとサポート材が多くなり、印刷時間の増加とサポート材を剥がすのに時間がかかってしまいます。

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サポート材がつく向き

よって、原則①に則って向きを決めると下のような向きになります。

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サポート材が少なくなる向き

 

原則② 強度が保たれる方向

印刷物の形状によっては力がかかりやすく折れたり剥がれたりしやすい部分が出来てしまうことがあります。この部品の場合、2つの丸穴が開いている箇所が弱い部分であり原則①の向きで印刷すると積層面と力の方向の関係で下のように折れてしまうことがあります。

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折れやすい箇所

そこで印刷の向きをこのように変えてみます。すると積層面と力のかかりやすい方向が垂直方向に近くなるため折れにくくなります。

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折れない方向

 今回の部品は力がかかる場所に用いられるため、サポート材は増えてしまいますが原則②の方向で印刷することにしました。印刷後の部品がコチラ。

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印刷後の部品(マグネット付き)

基本的には原則①の方向で、強度が関わる場合は原則②も気にしながら印刷方向を決めています。参考になれば嬉しいです。

 

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ハイウェイテクノフェアに出展して

毎年11月になると高速道路に関連した技術を展示するハイウェイテクノフェアが東京ビッグサイトで開催されます。

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一昨年の2017年に当時開発していた高所作業車向けのセンサーを売り込むために
ハイウェイテクノフェアの出展企業を回ろうと思い展示会に参加しました。
 
高所作業関連の企業も多く、サンプルのデモをするたびに良い反応があり
数社から展示会後に引き合いのお話を頂きました。
 
その内の一社である首都高速技術様から共同開発のお話を頂き、昨年から
共同でセンサーの開発を進めて参りました。翌年の2018年には同展示会の
首都高ブースにて弊社のセンサーを展示させて頂くことができました。

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高所作業車用安全支援システム
きちんと説明員の方を付けてくださり、自分たちが作った製品を別の会社の
方が(自分たちよりも上手く!?)説明している姿になんだか少し不思議な気持ちに
なりました。

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説明中
お客様からの反響も大きく、おかげさまで展示会後に引き合いを頂き、実際に使用頂いて製品をさらにブラッシュアップすることが出来ました。
 
インターネットで情報が入手できるとはいえ、実際の展示会で実物を見て議論をし、その中で繋がる御縁もあると思いますので、今後も積極的に参加していきたいと思います。
 
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LEDのVf低下と定電流ダイオード

最近使い始めた定電流ダイオード(Current Regulative Diode)。

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CRD
新製品の通電試験中にLEDが光らなくなり、故障原因を調べていくとLEDのVfが低い値で固定しているようでした。
 
Vfが下がった原因ははっきりと分かりませんが、定電圧でLEDを駆動させているのが良くないのかも知れません。
 
ふむふむ。定電圧駆動の場合、温度変化による電流値の影響を受けやすいそうです。そこで、最近は15mAの定電流ダイオードを使っています。抵抗をかます必要もなく、バッテリー駆動で電圧が少々下がっても定電流が流れるので光度がほぼ一定に保たれます。しばらく使って様子を見よう。。
(LED故障などに詳しい方いればコメントくださいませ。)
 
 

工業デザイナー 奥山清行さんのこと

今日は私の好きな工業デザイナーの奥山清行さんについて書いていきたいと思います。
 
初めて奥山さんを知ったのはNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見たことがきっかけでした。
 
当時はピニンファリーナのマネージャーをされていたと思うのですが、並み居る新進気鋭のカーデザイナーたちのスケッチをことごとく(破り捨てるかの如く)ダメ出しをされていて、最高のデザインを生み出すべくチームを統率していた姿に大きな衝撃を受けました。世界最高のデザイン会社でチームを率いているのが日本人ということにとても驚きました。私は当時まだ学生でしたが、将来は彼のように世界で活躍する人になりたいと思ったものでした。
 
時は経ち、自分がメカエンジニアとして働きはじめてから、何かのきっかけで奥山さんのことが気になり、彼のことを調べ著書なども読ませて貰いました。
 
彼のデザイン哲学であるSimple, Modern, Timeless というキーワードの中で、今までの自分の経験と照らし合わせて特に共感するのがSimpleです。一見、シンプルに見える形状でもそこにたどり着くには、機能を実現させるべく様々な経過をたどった結果であることが多いと思います。けっして初めからシンプルを標榜して設計しているのではなく機能性を追求していった結果のシンプルさということです。
 

その他にも「デザインは質より量だ!」「日本人は個人でこそ世界で活躍できる!」など彼の名言が詰まった書籍「人生を決めた15分 創造の1/10000」と「100年の価値をデザインする」は特におすすめです。

 
そんな奥山さんのデザインショップが山形にあるということで、一昨年に行ってきました。

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ken okuyama design shop
 
店内にはken okuyama designがプロデュースした山形の伝統工芸品である鉄瓶や段通、木工品が展示してありました。

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店内

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鉄瓶
伝統工芸の業界では有名だが、一般にはあまり知られていない質の良い製品を
紹介していくのがデザイン会社の仕事だと店員の方がおっしゃっていました。
 
製品それ自体も素晴らしいのですが、その鉄瓶を使うことで普段よりお茶の時間が豊かになったりヤンマーさん向けのスタイリッシュな農機具でいうと、その機械を見た子供が将来農業をやりたいと志し、業界イメージを変えうる力になるということに価値があるとのことでした。
 
モノを通して豊かな時間であったり夢を提供するというあたりがモノづくりの究極のゴールなのかもしれません。
 
最後にアートとデザインはどう違うのかということを奥山さんが語っている動画がこちらです。
”アートとは自分でお金を払って、自分の芸術を究めていくこと。自分を楽しませること。デザインとはお客様のお金を使ってお客様が欲しているものごと実現させていくこと。まずは目の前のお客さんが何を欲しがっているのかを理解することが重要だ。”
 
 

高所作業車用の安全センサーを作った理由

ここ数年、特殊車両向けセンサーの引き合いが多いのですが、定期的に高所作業車向けセンサーの引き合いを頂きます。
 
話を伺うと作業者がバケットに乗り上部に移動中、構造物との間に挟まれてしまう事故が起きているとのことでした。実際の事故事例としてこのように報告されています。

www.aichi-corp.co.jp

(株)アイチコーポレーション様より
 
原因は作業者の不注意や、 そもそも作業者が資格を持っていなかったなど
様々あるようですが、このような事故が後を絶たないという事実は確かなようです。
 
現状、事故を未然に防ぐ方法としてよく使われているのが、バケットの四隅に
棒を立てる方法です。

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衝突防止用の棒
バケットが上昇していき、人体と構造物が衝突する前に四隅の棒がぶつかるので安全を確保できるという考え方ですが、デメリットとして取り付けが大変、構造物を傷つけてしまう恐れがあるということがあります。
 
そこで、超音波センサーでなんとか解決出来ないかと考え、2年ほど前から
高所作業車に特化した製品を作ることにしました。超音波センサーを使用する
メリットとしては非接触であることと、他の光センサーよりも屋外での検知能力と
検知範囲が優れていることが挙げられます。
 
コンセプトとしては①必要十分な検知範囲とすること、②取り付けおよび配線が
容易なことを掲げ、設計を進めてきました。多くの関連企業様のご協力もあり、昨年12月に高所作業車用の安全支援システムとして完成致しました。
 
 
 
こちらが実際の取り付けの様子です。
 
ご興味がありましたら是非ご連絡ください。→ t.saito@ohmic-electronics.com
3月まではサンプル品の貸し出しも対応しております。
 
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